ダイヤモンド工具を用いた光学ガラスBK7への延性切削加工の研究において、加工雰囲気を大気から窒素およびアルゴンガスに置換して工具寿命を10倍以上に延長することが出来ましたが、コスト的に実用化を検討できる段階には達しておりません。無酸素雰囲気で工具寿命が延びる研究結果より、ガラスよりはるかに硬いダイヤモンド工具が摩耗する原因は機械的な摩擦摩耗ではなく化学反応による摩耗が支配的であると考えられます。そこで、cBN(cubic
Boron Nitride:立方晶窒化ホウ素)を工具として延性切削加工を行ないました。図1はガラス円盤(直径25mm、厚さ4mm)のcBN工具による延性切削加工面(中心部分)のレーザ顕微鏡写真です。延性切削特有の亀裂の発生していない切削痕が観察できます。図2はcBN工具先端(すくい面)を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した画像です。延性切削の特徴である流れ型のカールした切屑が付着しております。加工後のcBN工具逃げ面は、ダイヤモンド工具とは異なり逃げ面には摩耗の痕跡が見られませんでした。今後はcBN工具の可能性について、加工面性状を含めた評価を進めます。 |